Ayami Yamanobe × whole 洋服のコーディネートを組むように、花との関係性を楽しむ花瓶

Ayami Yamanobe × whole 洋服のコーディネートを組むように、花との関係性を楽しむ花瓶

IEGNIMが送るコラボシリーズ。第⼆弾はIEGNIMと同じく代々⽊上原にある⼈気の花屋「whole(ホール)」の綱川禎⼦⽒プロデュースのもと、4⽉に個展を開催した⼭野邉彩美⽒に花瓶を作っていただきました。厚みのある作りに柔らかな曲線のシルエット、繊細なタッチの釉薬が融合した、⽇常にそっと溶け込みながらも確かな彩りを添えてくれる器。そんな花瓶ができあがるまでのストーリーをお⼆⼈にお伺いしました。

【IEGNIM × Ayami Yamanobe × whole トリプルコラボ 花瓶】


⼭野邉彩美(やまのべあやみ)

⼤学卒業後、ファッション業界の会社へ⼊社。業界に⾝を置く傍ら、2018 年に陶芸へ出会い、陶芸作家内⽥⾹織(うちだかおり)⽒・陶芸作家/修復家⽵村良訓(たけむらよしのり)⽒に師事。ファッション業界で培われたセンスやインスピレーションをもとに作陶された、⾊合いの作⾵が特徴。2022 年に東京にアトリエを構え、これまでに宮古島のʼPALIGALLERYʼや新宿御苑のʼPARKERʼなどで展⽰を開催している。

whole 

代々⽊上原にある、ヘアサロン「awry by the manner(アーライバイザマナー)」に併設されたフラワーショップ。アパレル出⾝のフローリストでオーナーである綱川禎⼦(つなかわよしこ)⽒が選んだ、シックでありながらどこか遊び⼼のあるセレクトが⼈気。結婚式やイベントの装花といった空間コーディネートも務める。


「きっと素敵なものになる」確信

── 今回のコラボレーション以前から、お互いをご存知だったかと思いますが、どのような印象をお持ちでしたか?

綱川禎⼦(以下、綱川):⼭野邉さんがファッションのお仕事をされているのは、以前から知っていました。陶芸をされているのは後から知ったのですが、「⼭野邉さんが作るものならきっと素敵だろうな」と感じていたので、今回のお話をいただいた時も迷うことなく「ぜひご⼀緒したい」と思いました。

⼭野邉彩美(以下、山野邉): 物腰が柔らかい中に芯の強さがある⽅だなと、以前ファッションのお仕事でご⼀緒した際に感じました。wholeでのお仕事ぶりを⾒ていても、お花や植物の気持ちに寄り添っているピュアな⽅という印象もあり、そういう⽅が表現する世界が好きなので、お話をいただいた時は嬉しかったです。⼀⽅で、このような形でご⼀緒できるのは、⾃分にとっても勉強になるなと思いました。綱川さんもファッションのご経験があるという共通点もありますし、そういった意味でも繋がる部分があるのかなと感じています。

「ぽってりした厚み」と「曲線」がキーワード

── 厚みのあるシルエットと曲線というオーダーでしたが、それにはどのような意図があったのでしょうか。

綱川:曲線や、厚み・重みを感じられる作品に惹かれてきていたので、それを花瓶の形に落とし込みたいなと考えていました。⼭野邉さんのセンスであれば、そのキーワードをお伝えすれば、きっと素敵なものが仕上がるだろうと思っていたので、⾊味なども含めてお任せで「ぽってりした厚みのあるシルエット」と「曲線」という2つだけをお伝えしました。

お花が映えるように、余⽩を意識したカラー

──そんな綱川さんのオーダーを受け、どういう⾵に制作を進めていきましたか?

⼭野邉:お花が⼊るイメージを抱きながら、余⽩が残るようにそこまで強い⾊は使わず、でも近くで⾒ると柔らかな⾊彩があるといいかなと思いながら作りました。

⽩い釉薬の上にブルーやピンク、じゅわっとにじむようなイエローの釉薬を重ねている。曲線の輪郭がぼやけないように彩度は控えめに。

お花が無い時もハッピーになれたらと思い、器の内側にも⾊を⼊れています。私⾃⾝も丸みがある物が好きなので、どういう曲線にしようかとさまざま形を試⾏錯誤しながら作りました。

内側と外側の表情の違いを楽しめるデザインに。

──4 ⽉の個展では⼿触りが楽しいテクスチャーのある器が多く並びましたが、今回は花瓶ではどのような点がポイントでしょうか。

⼭野邉:個展はテーブルウェアが中⼼だったので、焼き締めなど⾷材が⼊った時に温かみがあるようなものを多く作りましたが、今回は花瓶なので⽔が漏れないように施釉をするなど、機能性にも配慮しました。あとはお花を⽣けた状態も含めて完成するような形にするために、⼿触りよりはそういった全体のバランス感を考えながら作りました。

綱川: ずしっとした重みがあるのが素敵ですね。⽣けるお花もイメージしやすいです。

⼭野邉:腰のある形のほうが、お花を⽣けた時に映えるので、そこもポイントです。

花ごとに印象が七変化。厚みのある花瓶ならではの使い⽅

──花瓶に合うお花はどのように選べば良いでしょうか?コツを教えてください。

綱川:⼀般的には花瓶に対して1.5〜2 倍の⻑さのお花が良いと思います。今回の花瓶のような重みがあるものは、わさっとたくさんの花を⽣けても可愛いですし、茎が太いものであれば、1、2輪だけでも決まるデザインかと思います。

──⾊々な飾り⽅がありそうですね。具体的にどのようなお花がおすすめですか?

綱川:発売のタイミングでは夏のお花が旬で、元気が出るようなものが多いです。⼝が薄い花瓶だとお花の印象の強さに負けてしまいますが、この花瓶は厚みがあるので個性的なお花を集めてもバランスを取りやすいと思います。

「エクメア」という暑い国で育つ花や、紫とオレンジが印象的な百合など、個性豊かな⼀輪たちが合わさったパターン。パンチが強い花でもまとまるのは花瓶のシンプルさと厚みがあってこそ。⻑めのものも剣⼭などを使えばへたらずに飾れる。

綱川:花瓶と同系⾊でまとめるのもおすすめです。線の細い、⼩さなお花が集まっているようなものを⽣けても可愛いですよ。

胡蝶蘭とアンスリウムの合わせ技。花瓶と花を同系⾊でまとめることでぐっと柔らかな印象に。

動きのあるクレマチスとほんのり⾊づいた釉薬がマッチして上品な雰囲気。

⽩Tシャツのように、ベーシックで使いやすい逸品

──素敵な器とお花をありがとうございました。最後に花瓶を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

⼭野邉:前回のインタビューでもお話ししましたが、北⼤路魯⼭⼈の「器は料理のきもの」という考え⽅を⼤事にしていて、それは今回の器にも当てはまると思います。花瓶はお花が⼊ることで⽣きるので、これをきっかけに⽣活を彩ることを楽しんでいただけたらいいなと思います。

綱川:シンプルで使いやすいデザインなので、あまり難しく捉えずに⾊々なお花を飾っていただけたらと思います。きっと⼿持ちの中で⼀番使える花瓶だと思ってもらえるはず。夏のお花は特に個性的で可愛いので、様々なアレンジを楽しめると思います。⽩いTシャツみたいな感じで。

⼭野邉:なるほど!いいですね。

綱川: ⽩Tだけど素材がいい「極上の⽩T」のような。そんなイメージで使っていただけたら。花瓶としてはもちもん、筆やキッチンツールを⼊れるのにも良いと思います。

⼭野邉:ファッションで⾔うところのエッセンシャルアイテムのように、⽣活に取り⼊れてもらえたら嬉しいです。

写真/千倉志野 取材・⽂/⼩野光梨(Roaster)

 

※花瓶はサンプルとなっており、実物と異なる場合があります。

ブログに戻る